創薬型バイオベンチャーが開発した医薬品は、①創薬ターゲットの探索、②医薬品候補物質の最適化、③非臨床試験、④臨床試験(治験)、⑤承認申請、⑥製造販売、というステップを経て、医療現場へと届けられます。
創薬型バイオベンチャーは、以下の3タイプに大別されます。
・創薬シーズを⽣み出す創薬基盤技術を保有し、その基盤技術⾃体や、そこから⽣まれた創薬シーズを他社にライセンスする「創薬基盤技術型」
・主に⾃社やアカデミアで創出した早期段階の創薬シーズを⾮臨床試験段階から開発する「創薬パイプライン型」
・主に他の企業が⾮臨床試験や臨床試験を途中まで実施したシーズを導⼊して開発を進める「パイプライン導⼊開発型」
当社のビジネスモデルは、「創薬基盤技術型」と「創薬パイプライン型」のハイブリッドに相当します。
「創薬基盤技術型」は、創薬シーズを⽐較的早いタイミングで複数の製薬企業にライセンスします。早期段階のシーズを導出して得られる収益は開発が進んだ創薬シーズと比べて小さくなることが一般的ですが、早期に財務指標 (売上や利益等)が健全化するというメリットがあります。「創薬パイプライン型」や「パイプライン導⼊開発型」では研究開発投資が先⾏し、「創薬基盤技術型」に比べて財務指標の改善には時間がかかりますが、開発に成功し他社にライセンスする、あるいは⾃社販売する場合には⼤きな収益が⾒込めます。
当社のビジネスモデルは、自社で保有する創薬基盤技術を使って得られた創薬シーズを製薬会社等に導出することによって、アライアンス締結時には契約一時金収入、開発が一定程度進捗した段階ではマイルストーン収入、販売開始後には販売に応じたロイヤルティ収入を獲得するモデルです。候補製品によって、リード化合物の段階で導出するケースもあれば、早期臨床試験までを当社で実施してシーズの価値を高めてから導出するケースもあると考えています。
「伊藤レポート2.0~バイオメディカル産業版~『バイオベンチャーと投資家の対話促進研究会』最終報告書」
経済産業省(2018年4月27日初版、2019年7月18日改訂)
https://www.meti.go.jp/press/2019/07/20190718008/20190718008a.pdf
「創薬系バイオベンチャー企業について」
日本取引所グループ
https://www.jpx.co.jp/listing/others/risk-info/tvdivq0000001rss-att/nlsgeu000000xf3f.pdf